俺が想像するhinaは、22歳の大学生だ。
もちろん、すべて成人しているし、春からは社会人として歩き出す。
レンタルルームのソファに腰掛け、鏡に映る自分を見つめる。
「もし私がOLだったら…」
そうつぶやいて、スカートの裾を指で整える。
その小さな仕草さえ、俺には妙に官能的に映る。
午後の光がレースのカーテン越しに柔らかく差し込み、
ブラウスの袖を淡く透かす。
彼女はペンを唇に当てて考え込み、また紙に何かを書きつける。
映像のアイデアを形にしようとしているだけなのに、
俺にはその姿が、静かな誘惑の連続に見えてしまう。
前髪が頬に貼りつき、彼女はゆっくりと耳にかける。
その指先に視線を奪われ、胸の奥がざわつく。
「こういう動作を、映像に入れたらどうだろう…」
彼女はそう考えているに違いない。
でも俺は、違う意味でその仕草に惹かれてしまう。
ソファに沈み込む体の動き。
ストッキング越しにわずかに覗く太ももの張り。
彼女がただの学生であることを忘れ、
ひとりのOLになりきろうとする瞬間、
その境界が甘く揺れていく。
「こういう私も、表現していいんだよね」
そんなふうに自分に言い聞かせる声が、俺の想像の中で重なる。
その言葉に、俺は心の中で強くうなずく。
もちろん、これは互いに納得した合意のうえで続く妄想だ。
そして気づけば、彼女がただペンを走らせるだけの動作にさえ、
俺の中では熱を帯びた物語が生まれてしまう。
緊張と解放のはざまで、静かに募る余韻だけが残る。