[aoi 妄想#002] 専門学校職員の彼女が、制服を着る日

aoiは26歳。
医療系専門学校で働く職員。
普段は受付カウンターの内側で、学生たちの書類を丁寧に整理している。
“いつも冷静で落ち着いた人”という印象を持つ者は多いだろう。

だが俺は、ふとした瞬間のaoiを見逃さなかった。
昼休み、コピー機の前で髪を束ねる仕草。
紙を数える指先がわずかに震えたあの一瞬。
その小さな乱れに、妙に惹かれた。

夜、彼女がひとりでレンタルルームに入る。
蛍光灯の明かりの下、バッグから制服を取り出す音。
あの白いシャツ、ネイビーのスカート。
制服を前にしたときの、わずかなため息。

俺は想像する。
aoiが鏡の前でシャツを肩にかけるときの空気の重さ。
肌に布が触れる感触に、彼女が小さく息を吸い込む様子。
鏡の中のaoiが、静かにネクタイを締めながら微笑む。
まるで「見てほしい」と、誰かに呼びかけているかのように。

スマホのカメラをセットし、シャッターの音が響く。
その音に合わせて、aoiは少しずつ“生徒”の役を演じ始める。
誰もいない部屋で、自分だけの視線を感じながら。

俺の頭の中では、その映像がゆっくりと再生される。
柔らかい照明が、シャツの布越しに肌を透かす。
首筋を撫でる髪の毛が、微かに光を反射する。
彼女は誰にも見せない表情を浮かべていた。

「見られることで、救われる人もいる」
そんな言葉が頭をよぎる。
aoiは、自分を取り戻すために制服を着るのかもしれない。
その姿に、俺はただ、目を離せずにいる。

もしこの映像が実在するなら、
きっと俺は、再生ボタンを押す指を止められないだろう。