[honoka 妄想#006] 脱いだあとのほうが、なぜか裸よりエロい

俺が彼女を最初に見たのは、あのガラス張りのロビーだった。
受付カウンターの奥、honoka——24歳。
丁寧で穏やかな笑顔の裏に、ふとした隙が見え隠れする。
それがどうにも忘れられなかった。

いま、彼女は就職活動の合間に、
あのレンタルルームでひとり過ごしているという。
偶然を装って通りかかったとき、
薄いカーテン越しに、白いシャツ姿の女性が見えた。
それがhonokaだった。

下着の上に羽織っただけのシャツ。
ブルマを脱いだあとの、妙に落ち着いた呼吸。
裸よりもずっと現実的で、
それでいて、どうしようもなく艶っぽい。

「こんな格好、変ですよね」
そう言って、彼女は少しだけ笑った。
声の調子も、仕草も、すべてが大人の余裕を帯びている。
「でも、なんだか落ち着くんです。誰もいないときだけ、こうしてるんです」

その言葉に、俺は何も返せなかった。
ただ、honokaが袖をたくし上げるたび、
白い肌に光が流れていくのを見ていた。
彼女は確かに、合意のもとでそこにいた。
大人同士の、静かな共有。

シャツのボタンがひとつ外れた。
空気が少し動き、柔らかな香りが鼻をかすめる。
柔軟剤と、女の体温がまざったような匂い。
それだけで、世界の輪郭がぼやけていく。

honokaは、目を細めながら言った。
「脱ぐよりも、こうしてるほうが、落ち着くんです」

その瞬間、彼女の頬をかすめた髪の先が、光を受けてきらめいた。
まるで、日常の中にこっそり潜む艶のように。

あの部屋を出たあとも、
俺の中では、あの白いシャツの揺れだけがずっと残っている。
それが、いちばん“エロい”瞬間だったのかもしれない。