[reira 妄想#004] 制服でソファに──ふと、裾が揺れる

モデルルームの午後は、妙に静かだった。
時計の音も、外の気配も薄く、
部屋の中には、俺の鼓動だけが残っている気がした。

reiraは、制服のベストの裾を整えながら、
「この感じ、どうかな」と笑った。
その声が小さく響いて、
空気が少しだけ甘くなる。

白いニットの袖口を直すとき、
指先が布地に沈む。
その柔らかさが、妙に記憶に残る。
俺はただ、息を潜めて見つめるふりをした。

「ポスター用って言っても、ほとんど遊びみたいなもんですよ」
reiraはそう言いながら、足を組み替えた。
スカートの裾がふわりと浮いて、
そのわずかな揺れが、理性をかすめていく。

彼女がソファに背を預けた瞬間、
ベストの下の白いニットがやわらかく波を打った。
その布の動きひとつひとつに、
午後の光が吸い込まれていくようだった。

俺は息を飲んで、
「似合ってる」とだけ言った。
彼女は少し頬を赤くして、
「ありがとうございます」と微笑んだ。
その言葉には、わずかに照れと、
ほんの少しの期待が混じっていた気がする。

沈黙の中で、金属音が小さく鳴る。
テーブルの上、鍵束が転がった。
それだけで、何かの合図のように思えた。

reiraはゆっくりと髪をまとめ直し、
ネクタイの端を指先でなぞった。
その仕草が、まるで「見ていてもいいよ」と
無言で言っているように感じた。

制服の裾が揺れて、
光がその脚のラインをなぞる。
俺はただ、その光景を胸の奥に焼きつけた。

ほんの一瞬の午後。
でも、あのソファに残る体温だけが、
今も記憶の中で息づいている。