[yuna 妄想#017] 網タイツの夜、布団の気配──

合宿の夜、古民家の二階。
みんなはまだ練習場で声を張り上げている。
残された部屋に、僕とyunaだけ。

彼女は浴衣を脱ぎ、網タイツのまま布団に腰を下ろしていた。
その姿に、胸の奥がじんわり熱くなる。
「変かな、こんなの」
yunaが小さく笑いながら、裾を整えた。
「いや…似合ってる」
そう答えると、彼女は視線を落とし、指先で畳をなぞった。

その仕草に、空気が静かに震えた。
外では虫の声。中では、心臓の音だけが重なる。
彼女が布団に横たわると、網タイツが月明かりをすべらせる。
黒い編み目の間に見える肌が、呼吸とともにやわらかく動いた。

「ここの空気、落ち着くね」
yunaがそうつぶやく。
僕はうなずくことしかできなかった。
言葉を交わすより、今はこの静けさを共有したかった。

彼女がそっと僕の手をとる。
指先が触れた瞬間、互いの意思が通じた気がした。
拒む気配はどこにもない。
ただ、ゆっくりと確かめ合うように、彼女は頬を寄せた。

畳の香り、網の感触、微かな息づかい。
そのすべてが、時間を止めるように溶け合っていく。
彼女は目を閉じ、唇をわずかに開いた。
その表情は、どこかで見た夢の中の彼女と重なっていた。

僕は思った。
この瞬間を誰にも見せたくない、と。
網タイツの黒が、彼女の肌をさらに白く見せていた。
そして、ただ静かに、夜が更けていった。