[yuna 妄想#018] 網タイツのまま、布団の中で──

合宿の夜。
古民家の廊下を抜けると、薄い障子の向こうからyunaの息づかいが聞こえた。
みんなはまだ練習を続けている時間。
静かな部屋の中には、布団と、わずかな灯りだけ。

彼女は成人したばかりの大学生で、少し背伸びしたような雰囲気があった。
畳の上に正座して、黒い網タイツを履いたまま、指先で髪を撫でている。
その姿があまりに自然で、声をかけることもできなかった。

「……来てくれたんですね」
小さく振り向いた彼女がそう言ったとき、
合宿のにぎやかな音が一瞬、遠くへ消えた。

「少し、話がしたくて」
その一言に頷くと、彼女はそっと布団をめくって隣を示した。
そこには、彼女の体温がまだ残っている場所。

網タイツ越しに伝わる熱が、ゆっくりと指先に移ってくる。
布団の中は暗くて狭いのに、不思議と安心するような温度だった。
yunaの横顔が近づく。頬にかかる髪が、かすかに触れる。

「誰にも言わないでくださいね」
その声が、息のように耳に落ちた。
彼女の瞳は確かにこちらを見つめ、静かにうなずいた。

網目の向こうの脚が、畳の上でそっと動く。
その音が、まるで心臓の鼓動に重なるように響いた。
二人の間に漂う空気が、少しずつ熱を帯びていく。

彼女は目を閉じたまま、指先で布団の端を握りしめた。
その手の震えが、合意のように伝わってくる。
誰もいない部屋で、ただ互いの呼吸だけが形を持つ。

外の笑い声が、また遠くで弾ける。
でも、この古民家の一室だけは、まるで別の世界のように静かだった。
彼女の香り、髪の先の柔らかさ、網タイツのざらりとした感触——
そのすべてが、記憶の奥でまだ微かに息をしている。

今も思い出すたび、あの夜の空気がよみがえる。
yunaの名を呼べなかった自分の代わりに、
この文字たちが、そっと彼女の影をなぞってくれる。