今日は、あのレンタルルームの前を通っただけで、胸の奥がざわついた。
そこにいるはずのhonoka——24歳、もちろん成人している。
その無防備さを思い出すと、どうしても想像が動き出してしまう。
受付で働いていた頃の彼女を、俺は一度だけ見たことがある。
来客に微笑むとき、前髪が頬にはりつくあの瞬間。
あれが妙に印象に残っていて、気づけば勝手に“知っている気”になっている。
職探しの合間に使うというレンタルルーム。
誰かに聞かせるわけでもなく、ただ「落ち着くから」という理由だけで来ているらしい。
そのささやかな理由が、逆にこちらの妄想を刺激してしまう。
今日の衣装は水着だと聞いた。
コンカフェで働きながら、その衣装の練習も兼ねているらしい。
慣れたはずの衣装のはずなのに、俺の中ではまだ“初めて”みたいに眩しく見える。
彼女は誰に強制されたわけでもなく、自分の意思でそこにいる。
静かに立ち、ソファに座り、深く息を整える。
そのごく自然な動作が、こちらには合図のように見えてしまう。
「大丈夫ですよ」
そう言って、水着の肩紐を直すとき、彼女は自分で鏡をのぞき込んでいた。
その一言だけで、変に安心してしまった。
——彼女はこの空間を、自分の意思で受け入れているんだ、と。
照明のやわらかな光が、水着と肌の境目を淡く照らす。
ソファに座ると、太ももの内側に小さな影が落ちる。
その影を見つめていると、胸の奥にゆっくり熱が広がっていく。
香りはほとんどないのに、ほんの微かに甘い石鹸の気配だけが残る。
その淡い匂いが、妙に生々しい。
何も語らず、じっとしているだけの彼女。
でも、指先がソファの端をそっと押す仕草だけで、
この部屋の空気がわずかに揺れたように感じてしまう。
ただそこにいるだけなのに、胸が高鳴る。
ほんの小さな仕草の一つ一つが、妄想の奥をくすぐっていく。
その静けさの中で、こみあげる想像だけが濃くなっていく。
やがて時間がゆっくり溶けて、
水着の布越しに見える影が、さらに深く感じられてくる。
息が自然に浅くなる。
そして、あと少しで指が触れそうな“境界”だけが鮮明になる。
クライマックスの手前で、ふっと彼女が瞬きをした。
その小さな動作が、余韻だけを残して、すべてを締めくくったように感じた。
そして俺は今日もまた、この妄想の続きを求めてしまう。