rikoは女子大学の4年生。
卒論を進めるため、東京のレンタルルームを借りていた。
机にはノートPCと文献が積み上がっていた。
だが、彼女は今、ソファに横たわり、スマホをいじっていた。
「ちょっと休憩」——そのつもりが、気づけば30分以上が過ぎている。
ソファの上で片脚を投げ出し、もう片方を膝にのせる。
自然とスカートの裾が揺れ、太ももの奥がちらりとのぞく。
本人にとっては何気ない仕草。
けれどその無防備さは、見る者の心をざわつかせる。
rikoはスマホの画面を眺めながら、時折小さく笑みを浮かべる。
SNSで流れる推しの舞台のリハーサル映像。
照明に照らされたその姿を見るたび、胸の奥が熱くなる。
「来月には、東京で……」
そう呟いて、スマホを胸に抱きしめる。
ソファに横たわったまま、脚を組み替える。
スカートがさらにずり上がり、白い太ももが眩しいほどに光を受ける。
rikoは気づいていない。
それがどれほど艶めいた光景なのか。
頭上には時計の針の音が響く。
外からは車の音や人の話し声がかすかに届く。
けれど、この部屋は世界から切り離されたように静かだった。
ふいに、スマホを胸に置いたまま、両手を頭の後ろに伸ばした。
その瞬間、スカートの裾がふわりと揺れ、奥が危うく見えそうになる。
彼女は無意識に脚をすり合わせるように動かした。
「はあ……」
短い吐息が、部屋の空気を震わせる。
目を閉じ、少し微笑む。
それは疲れを癒す仕草でありながら、どこか淫靡な気配を帯びていた。
——もしかして今、この部屋で、ひとりで淫らなことをしているのかもしれない。
そう考えるだけで、胸が高鳴る。
現実にはあり得ない。
でも、妄想の中では、彼女のすべてが手に取るように近い。
ソファの上で脚をゆっくり開いたり閉じたり。
その無防備さは、誰に見せるでもない、彼女だけの時間。
だが、それをこっそり覗き見るような錯覚に囚われる。
rikoはまたスマホを手に取り、カメラロールを開いた。
推しのポスターを撮った写真が映る。
その視線に見つめられているような錯覚に、思わず胸に手を当てる。
「会いたいな……」
小さく呟いた声が、自分だけの秘密のように部屋に溶けていく。
そして再び脚を投げ出す。
裾が揺れ、柔らかな太ももが光を受ける。
ただそれだけのことが、こんなにも艶めいて見えるなんて——。
やがて、机の上のノートPCがスリープから目を覚ます。
現実に引き戻され、rikoは軽く伸びをした。
乱れたスカートを直し、髪を耳にかける。
「……もう少し頑張らなきゃ」
そう自分に言い聞かせ、再び机へ向かう。
けれど、その一瞬の無防備な姿は、確かにそこにあった。
誰にも見せない時間の中で、彼女はほんのわずかに、心も身体も開放していた。