[aoi 妄想#001] 専門学校の職員が見せた、無防備な朝

俺は50を過ぎた平凡な会社員だ。
通勤途中、専門学校の前を通るのが、密かな楽しみになっている。
受付にいるaoi——26歳、あの職員の存在を知ってからだ。

いつも落ち着いた笑顔で、学生や来客に対応している。
清楚なスーツの裾がふと揺れるたび、
その下に隠された“もう一つの顔”を想像してしまう。

その朝、偶然ビルの近くで彼女を見かけた。
いつもより柔らかい表情で、スマホを見つめている。
肩にかかる髪が、風で少し乱れた。
彼女はそれを片手で整え、唇の端を少しだけ緩めた。

その仕草が、やけに艶やかに見えた。
きっと、撮影前の彼女だったのだろう。
裏アカウントで見かけた“aoi”の姿と重なった。

レンタルルームの白い壁。
鏡の前で、彼女は制服の襟を少しだけ開き、
光を浴びるように肩を見せている。
画面越しに見えるその瞳には、
普段の職員とはまるで違う静かな熱があった。

「これくらいなら、誰にも迷惑かけてないし」
そんな言葉が聞こえてくるようだった。
同意の上で、自分を解放しているaoi。
その潔さに、息を飲んだ。

想像の中で、彼女は一枚ずつ“社会の衣”を脱ぎ、
ただの26歳の女性としてそこにいる。
頬に当たる光、肌にかかる影、
シャッター音とともに生まれる、ひとつの呼吸。

俺はただ、その瞬間を覗き見ているだけだ。
触れることも、声をかけることもない。
けれど、彼女が無防備になる朝の一瞬、
その美しさを心の奥に刻みつけてしまう。