[aoi 妄想#003] 専門学校職員の彼女、制服姿のまま崩れていく午後

僕は、aoiを初めて見たときのことを、いまも鮮明に覚えている。
関西の医療系専門学校で働く26歳の職員。
学生たちの前ではいつも丁寧で、控えめで、
誰もが「真面目な人」と口をそろえる。

だが、僕が気づいたのは、その奥に潜む微かな揺らぎだった。
コピー機の光に照らされた横顔、
書類を差し出すときに香る柔らかなシャンプー。
近づくたびに、胸の奥で何かがざわついた。

そして後に知る。
aoiには、もうひとつの顔があることを。
それは、レンタルルームでのコスプレ撮影モデル。
セーラー服やブレザーに身を包み、
自撮りした写真を裏アカウントに投稿するという秘密。

その世界に身を置くことも、自らの意志で選んでいる。
「誰かに見られたい」という気持ちを、
彼女は正直に受け入れているのだろう。

その日の投稿。
映っていたのは、職場での制服姿に似た紺のスカート。
脚を少し崩してソファに座るaoiの横顔。
光が柔らかく頬を撫で、
目線の先には、スマホのレンズがあった。

画面越しに感じる静かな熱。
スカートの奥にふと見えた白が、
意図的なのか偶然なのか、わからない。
けれど、その曖昧さが、
彼女をより艶やかにしていた。

——“見られることで、満たされる”。
そんな言葉が頭に浮かんだ瞬間、
僕の指先は、無意識にスマホを強く握っていた。

もし、あの部屋に僕がいたら。
彼女の呼吸のリズムを感じながら、
そっとレンズ越しにその瞬間を見届けていたかもしれない。
aoiの頬に流れる一筋の汗、
ゆるむ指先、閉じかけたまつげ。

彼女は、自分の中の“解放”を見つめていたのだと思う。
誰にも見せられない世界で、
自分だけの快楽を確かめるように。