[aoi 妄想#004] 専門学校職員の彼女、制服のまま思考が止まる午後

あの午後のことを、今でも鮮明に思い出す。
ビルのエントランスで見かけたaoi——
胸の職員証には「医療専門学校」と印字されていた。
社会人として落ち着いた雰囲気。
でも、目の奥にほんの一瞬、揺れる光を見た気がした。

あとで知った。
彼女は二十六歳、すべての行為に同意のうえで、
副業としてコスプレ撮影をしている。
セーラー服、ブレザー、メイド服——
どれも彼女が選んだ“もう一つの顔”。

白いブラウスを整えながら、
レンタルルームの小さな鏡に映る自分を見つめる。
リングライトが彼女の頬を淡く照らす。
光に溶けるような肌の質感に、
僕の喉がかすかに鳴った。

シャッター音の合間に、
指先が膝をなぞるように止まる。
小さな吐息が部屋に広がる。
香りは洗い立ての柔軟剤。
それが、制服の布地に残っていた。

aoiは、そっとスカートを整えた。
でも、その仕草が、
かえってすべてを見せてしまうようで。
彼女自身も、そのことに気づいていた。
唇がわずかに笑った。

「このままで、いいよね」
そんな小さな声が漏れた。
合意の言葉として、そして、自分への許しとして。
僕は、その瞬間に息を飲んだ。

真面目な職員の顔の裏にある、
誰にも見せない“オフの彼女”。
それを想像するだけで、
午後の時間がゆっくりと溶けていく。

もし、あのレンタルルームの静けさの中で、
aoiが次のシャッターを押したなら——
その音に、僕の鼓動も重なっていただろう。