[aoi 妄想#008] 専門学校職員の彼女、なにもなかった顔で服を着る

彼女——aoiは、26歳。
関西の医療系専門学校で働く職員だ。

俺が初めて彼女を見たのは、通勤途中の駅前だった。
灰色のジャケットに、きっちりまとめた髪。
学生たちに挨拶を返すときの微笑みが、
どこか張りついたように見えたのを覚えている。

あの笑顔の裏に、何かを隠している——そう思った。

数日後、偶然見つけたSNSの裏アカウント。
そこには、セーラー服を着たaoiがいた。
目線はカメラを見ていない。
鏡越しに、まるで“誰か”を待っているようだった。

小さな部屋の中で、
彼女は音も立てずに動いている。
メイド服のレースが指に触れるたび、
微かに呼吸が乱れる。
白い太ももに、照明の熱がゆらめく。

その場の空気を想像するだけで、
胸の奥がざわついてくる。

そして、クライマックスの後。
aoiはゆっくりと服を着はじめる。
床に落ちたブラの形、
ベッド端の皺、
まだ温もりの残る空気。

それらすべてを振り切るように、
彼女は静かにボタンを留めていく。

何もなかった。
そんな顔で、鏡の前に立つaoi。
その横顔には、確かに“終わり”の余韻が残っていた。

彼女の中で何かが浄化され、また日常へと戻っていく。
“いい人”としての顔を取り戻しながら、
誰にも知られず、満たされたまま。

俺はその姿を想像しながら、
また次の夜を待ってしまう。