[yuna 妄想#015] 網タイツに着替える、その静かな誘惑

俺はその日、合宿先の古民家に忘れ物を取りに戻った。
障子の向こうから、微かに衣擦れの音がする。
部屋には誰もいないはずだったのに——そう思った瞬間、
光の筋の中に、yunaの姿があった。

正座して、鏡の前に座る彼女。
細い指が、網タイツの口をそっと広げ、
片脚を静かに滑り込ませていく。
その動きが、あまりにも慎ましく、
けれどどこか儀式のようで、目が離せなかった。

彼女は気づいていたのかもしれない。
俺の気配を。
でも、振り向かず、
まるで“見せている”ように、ゆっくりと動く。

膝のあたりで止まる指。
そこから上へ伸びるラインに、
陽の光が触れて、網目が柔らかくきらめく。
その瞬間、彼女は鏡越しに俺を見た。

何も言わなかった。
ただ、微かに笑って——
「見てもいいよ」と、
唇がかすかに動いた気がした。

心臓の音が、やけに大きく響く。
その一言で、世界が変わったように感じた。

網タイツの黒が、肌の白を際立たせ、
息をするたびにその境目が揺れる。
彼女の指先が、自分の太ももをなぞるたび、
音にならない熱が、俺の中にも広がっていった。

誰かが来るかもしれない。
そんな緊張の中で、
二人だけの空気が静かに満ちていく。

そして、彼女はそっとタイツを整えると、
そのまま俺の方を見つめたまま、
小さくうなずいた。

「これでいい?」
その声に、確かな合意の気配があった。
ただそれだけで、もう充分だった。

そのあと、俺は静かに襖を閉めた。
光の向こうに残るのは、
網目の奥で息づく、ひとりの女性の秘密。