一歩、踏み出す。上へ。風が示してくれた方向へ。
冬の階段。上を見る。長い階段。
ケーブルニットワンピースを着ている。重い。でも、登る。
なぜなら、答えは上にあるから。
さっき、街角で風が吹いた。そして教えてくれた。「上を見て」と。
前ばかり見ていた、これまで。でも、上を見ることを忘れていた。
階段を登る。一段ずつ。上を見ながら。
ニットが重い。でもこの重さが、地面との繋がりを感じさせてくれる。
軽すぎると、ふわふわして、どこへ向かっているかわからなくなる。
でも重さがあれば、確実に一歩ずつ登れる。
階段の途中。立ち止まる。上を見る。
空が見える。灰色の空。でも美しい。
「もっと登れば、もっと見える」そう思った。
また登る。風が下から吹き上げてくる。まるで押してくれているみたいで。
「上へ」と。
ニットが風に揺れる。髪が揺れる。でも足は止まらない。
一段、また一段。上へ、上へ。
振り返る。ここまで来た。街が小さく見える。
「高くなった」実感する。
でもまだ続く。上を見る。まだ階段は続いている。
でも大丈夫。なぜなら、風が一緒だから。
頂上が見えてきた。「もう少し」
風が強く吹く。「頑張って」と。
最後の力を振り絞る。一段、また一段。
そして、着いた。頂上。
息を整える。そして、上を見る。
空。広い空。階段を登る前より、ずっと近くに見える。
「上を目指して、良かった」心から、そう思う。
前だけ見ていたら、この景色は見えなかった。
風が吹く。今度は横から。優しく。「よく来たね」と。
ニットに手を当てる。「ありがとう」
この重さが、私を支えてくれた。
そして風へ。「ありがとう」
上を見ることを、教えてくれて。
前を見ることも大切。でも、上を見ることも大切。
前は次のステップ。上は大きな視点。
両方あって、初めてバランスが取れる。
これからも、時々上を見よう。階段を登る時も、普通に歩く時も。
上を見て、大きな視点を忘れないようにしよう。
風が最後にもう一度吹く。「そうだよ」と。
「上を見続けて」と。「そうすれば、道に迷わない」と。
頷く。わかった。
これからは、前も見る。上も見る。
そして、歩いていく。