穏やかな階段―頑張らない日

風が言った。「無理しなくていいよ」と。

穏やかな階段。グレーのコートを纏って。

手を、ポケットに入れて。

ゆっくり登る。

今日は、穏やかな日。

一歩、踏み出す。

階段に足をかける。ゆっくりと。

また一歩。無理しなくていい。

今日は、頑張らない日。

階段を登る。一段ずつ。

登りながら、思う。

毎日、全力で走る必要はない。

たまには、歩いてもいい。

たまには、休んでもいい。

階段の途中。立ち止まる。

景色を見る。

いつもなら、見過ごす景色。

今日は、見える。

また登る。風が吹く。

「無理しなくていいよ」と。

ありがとう。その言葉に、救われる。

ポケットに手を入れたまま、登る。

力を抜いて。

リラックスして。

頂上が見えてきた。

「もうすぐ」

でも、急がない。

今日は、穏やかな日だから。

最後の数段。

コートが、風で揺れる。

ゆっくりと。優雅に。

私も、そんな風に生きたい。

そして、着いた。頂上。

ゆっくりだったけど、着いた。

頑張らなかったけど、着いた。

それでいい。

風が吹く。最後に。

「よくやった」と。

頷く。ありがとう。

頑張らなくても、いい。

無理しなくても、いい。

穏やかに過ごしても、いい。

毎日が、戦いじゃない。

たまには、穏やかな日があってもいい。

この階段が、教えてくれた。

ゆっくり登っても、着くと。

頑張らなくても、大丈夫だと。

そして、穏やかな日こそが、

心を癒してくれると。

おやすみ、頑張る私。

こんにちは、穏やかな私。

今日は、ゆっくり過ごそう。