冬の階段を登る―厳しさの先にあるもの

冬の階段は、厳しいけれど、登る価値がある。

冬の街。階段の前に立つ。

上を見る。

長い階段。

冷たい風が、吹き降りてくる。

***

「登るの?」

心の中で、自分に問いかける。

***

「寒いよ」

「疲れるよ」

「やめたら?」

***

でも、足は動く。

***

一歩、踏み出す。

***

階段に足をかけた瞬間、

冷たい。

***

冬の階段は、春の階段より冷たい。

***

でも、登る。

***

なぜなら、上に何があるか知りたいから。

***

また一歩。

***

ニットに手を入れる。

温かい。

***

でも、顔は冷たい風に晒される。

***

冬は、厳しい。

***

でも、だからこそ。

***

登り切った時の達成感は、

他の季節より大きい。

***

階段を登る。

一段ずつ。

***

急がない。

***

冬は、急ぐ季節じゃない。

***

ゆっくり、確実に。

***

階段の途中。

立ち止まる。

***

息が、白くなる。

***

寒い。

***

でも、生きている実感。

***

振り返る。

***

ここまで来た。

***

思ったより、高い。

***

でも、まだ続く。

***

上を見る。

***

頂上は、まだ見えない。

***

でも、大丈夫。

***

一段ずつ登れば、必ず着く。

***

また登る。

***

風が、吹く。

***

冷たい。

***

でも、止まらない。

***

なぜなら、止まったら、もっと寒いから。

***

動いていれば、身体が温まる。

***

一段、また一段。

***

ニットが、温かさを保ってくれる。

***

ありがとう、ニット。

***

君がいなければ、登れなかった。

***

頂上が、見えてきた。

***

「もう少し」

***

最後の力を振り絞る。

***

いや、振り絞らなくても。

***

ここまで来たら、

身体が勝手に動く。

***

一段、また一段。

***

そして、着いた。

***

頂上。

***

息を整える。

***

白い息が、何度も出る。

***

寒い。

***

でも、達成感。

***

景色を見る。

***

街が、見える。

***

冬の街。

***

冷たい空気が澄んでいて、

景色がくっきり見える。

***

綺麗だ。

***

春や夏には、見えなかった景色。

***

冬だからこそ、見える景色。

***

階段を登ったからこそ、見える景色。

***

「来て、良かった」

***

心から、そう思う。

***

風が、吹く。

***

冷たい。

***

でも、優しい。

***

「よく来たね」

***

そう言ってくれている気がした。

***

冬の風は、厳しい。

***

でも、乗り越えた人には、優しい。

***

ニットに手を入れる。

***

温かい。

***

でも、この温かさは、

ニットだけじゃない。

***

自分自身の温かさ。

***

登り切った達成感が、

身体を内側から温めている。

***

冬の階段。

***

厳しい。

***

でも、登る価値がある。

***

なぜなら、

***

厳しさの先に、

***

美しい景色が待っているから。

***

そして、

***

自分自身の強さを、

***

確認できるから。

***

「私は、やれる」

***

冬の階段が、

***

それを教えてくれた。