
風が言った。「いい答えが見つかるよ」と。
階段の前。スマホを見る。
まだ返事していない。メッセージは、そのまま。
「階段登ったら、返事する」
そう自分に約束した。
上を見る。長い階段。
登りながら、考えよう。
何て返すか。どう伝えるか。
一歩、踏み出す。
階段に足をかける。
スマホをバッグにしまう。
両手を空けて、登る。考えながら。
また一歩。何て言おうかな。
「会える」? それとも「ごめん、今日は無理」?
どっちが正直な気持ち?
階段を登る。一段ずつ。
登りながら、自分に問いかける。
「本当は、どうしたい?」
会いたい? 会いたくない?
いや、会いたい。でも、準備ができていない。
じゃあ、どうする?
階段の途中。立ち止まる。
振り返る。ここまで来た。
もう、半分以上登った。
そして、少しずつ答えが見えてきた。
また登る。風が吹く。
「もう少しで、わかるよ」と。
そうだね。もう少し。
階段を登り続ける。
一段ごとに、答えが明確になっていく。
頂上が見えてきた。
「もうすぐ」
そして、答えもわかってきた。
最後の数段。
「明日なら、会える」
それが、答え。
今日は無理。でも、明日なら大丈夫。
そして、着いた。頂上。
スマホを取り出す。
返事を打つ。
「今日はごめん。でも、明日なら会える。大丈夫?」
送信。
すぐに返事が来る。
「全然大丈夫。明日、楽しみにしてる」
笑みがこぼれる。
良かった。
階段を登りながら、考えて良かった。
ちゃんと、自分の答えが見つかった。
風が吹く。最後に。
「ほら、見つかったでしょ」と。
頷く。ありがとう。
階段は、考える場所。
登りながら、答えを探す場所。
そして、頂上に着いた時、
答えも見つかる。