労いの階段―頑張った自分へ

風が言った。「よく頑張ったね」と。

家への階段。上を見る。

今日も、この階段を登る。

コートを着たまま。重い。

一日着ていたから。

でも、登る。

今日を、終わらせに。

一歩、踏み出す。

階段に足をかける。

重い足。でも、動く。

また一歩。今日は、頑張った。

辛いこともあった。

でも、乗り越えた。

風が吹く。

「よく頑張ったね」と言われた気がした。

涙が出そうになる。

でも、もう少し。

家まで、あと少し。

階段を登る。一段ずつ。

登りながら、今日を振り返る。

朝は、不安だった。

でも、ちゃんとやり遂げた。

階段の途中。立ち止まる。

息を整える。疲れた。

でも、頑張った自分を褒めたい。

「よくやった」と。

また登る。風が背中を押してくれる。

「もう少しだよ」と。

そうだね。もう少し。

頂上が見えてきた。

家のドア。

「もうすぐ」

最後の数段。

コートが重い。足が重い。

でも、登り切る。

そして、着いた。家。

鍵を開ける。

ドアを開ける。

ただいま。

コートを脱ぐ。

重さが、消える。

今日という重さを、脱いだ気がした。

風が、最後に吹いてくる。

外から。

「お疲れさま」と。

涙が、こぼれる。

我慢していたものが、溢れる。

でも、それでいい。

家では、泣いてもいい。

頑張った自分を、労ってもいい。

今日は、よく頑張った。

完璧じゃなかったかもしれない。

でも、精一杯だった。

それで、十分。

おやすみ、今日。

ありがとう、頑張った自分。

そして、ありがとう、風。

最後まで、労ってくれて。