- 4月 14, 2026
桜の階段―自分のペースで、登ればいい
風が言った。 「急がなくていいよ」と。 四月の桜並木を歩きながら、ずっとそのことを考えていた。 コートがちょうどいい温度。 空が白く、柔らかく光っている。 雨が来る前の、静かな春。 一歩、また一歩。 急ぐ必要は、ない。 昔の私は、違った。 いつも誰か […]
風が言った。 「急がなくていいよ」と。 四月の桜並木を歩きながら、ずっとそのことを考えていた。 コートがちょうどいい温度。 空が白く、柔らかく光っている。 雨が来る前の、静かな春。 一歩、また一歩。 急ぐ必要は、ない。 昔の私は、違った。 いつも誰か […]
「どこへ行くの?」 風が聞いた。 「次のステージへ」 即答した。 迷いは、なかった。 桜の下を歩いていた。 花びらがひらひらと落ちていく。 春が、少しずつ終わろうとしている。 でも私は、前へ進む。 今年の春は、特別だった。 新年度が始まって、慌ててい […]
「前へ、行きな」 風が言った。 桜並木の階段を、登り始めた。 ミントグリーンのスカートが、風にひらめく。 24度。 コートはもう、いらない季節になっていた。 一段、また一段。 足元に、花びらが落ちている。 踏みしめながら、歩く。 ふと気づいた。 「も […]
風が言った。「登ってごらん」と。 23度。 光がまっすぐ差してくる、春の午後だった。 桜並木の脇にある、石の階段。 いつも気にしていなかった、その階段を今日は登ってみた。 花びらが、段の上に積もっていた。 ひとつ。 またひとつ。 ゆっくり登る。 登り […]
「準備はいい?」 風が言った。 桜並木の路地の先に、階段があった。 花びらが舞っていた。 26度。今年はじめて、コートなしで歩いた日。 昨日の雨が嘘みたいに、空は青かった。 踏み出した。 最初の一段。 二段、三段。 花びらが、肩に降ってくる。 登りな […]
「どこへ行くの?」 風が言った。 雨音の中で。 路地に立っていた。 透明な傘を握って。 桜が散る。花びらが路面に落ちて、濡れて消えていく。 気温17度。風が傘を揺らす。 どこかへ行こうとしている。 でも、行先はまだ見えない。 心の中に、階段がある。 […]
風が言った。「急がなくていいよ」と。 でも私は、歩き続けた。 桜並木の下の坂道を、一段ずつ登り始めたのは、午後のことだった。 今日は20度。春らしい気温だけど、空は少しずつ曇ってきていた。 明日は雨だと、朝から気になっていた。 花びらが、舞っていた。 […]
「今日の桜、ちゃんと見た?」 風が言った。 階段の途中で、立ち止まった。 空を見上げる。 満開だった。 白い花びらが、こんなにも空を覆っていた。 19度。 コートのベルトを締め直した。 軽い。春の空気は、軽い。 でも体の中は、少し重かった。 あと2日 […]
「それでいいんだよ」 風がそう言った気がした。 傘を持って、路地に立っていた。 桜が散っていた。雨が降っていた。 今日という日の、静かな午後だった。 目の前に、小さな階段があった。 石段。古い。濡れていた。 登ってみようと思った。 理由はない。 ただ […]
「今日、行かないの?」 風が聞いた。 公園の端に、古い石段があった。 桜の木が、両側を覆っている。 満開だった。 気温は24度。 コートが要らない、珍しい春の昼だった。 一段、踏み出した。 花びらが、舞い降りてきた。 階段を登りながら、思い出す。 去 […]