
風が言った。「それでいいんだよ」と。
光に照らされた階段。登る。
一段ずつ。ゆっくりと。
「この瞬間が、幸せ」
そう思う。
一歩、踏み出す。
階段に足をかける。
光が、足元を照らしてくれる。
また一歩。特別じゃない。
ただ、階段を登っているだけ。
でも、いい。
この瞬間が、幸せ。
階段を登る。一段ずつ。
登りながら、感じる。
足の感覚。
風の冷たさ。
光の温かさ。
全部を、味わう。
階段の途中。立ち止まる。
周りを見る。
住宅街。いつもの景色。
でも、綺麗だ。
光に照らされて、いつもと違う。
また登る。風が吹く。
「それでいいんだよ」と。
ありがとう。
今ここを、味わえている。
それだけで、十分。
頂上が見えてきた。
「もうすぐ」
でも、急がない。
この階段を、味わいたい。
最後の数段。
コートが、風で揺れる。
光が、全身を包む。
幸せだ。
特別なことは、何もない。
でも、幸せ。
そして、着いた。頂上。
振り返る。
登ってきた階段。
光に照らされている。
綺麗だ。
この景色を見られた。
それだけで、今日は良い日。
風が吹く。最後に。
「よく味わったね」と。
「今ここを、ちゃんと感じたね」と。
頷く。ありがとう。
幸せは、遠くにない。
今ここにある。
この階段にも。
この風にも。
この光にも。
気づくだけで、いい。
この階段が、教えてくれた。
今ここを味わえば、
いつでも、幸せになれると。
特別を探す必要はない。
今ここが、特別だから。